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2012年4月 4日 (水)

超弾性材料の検証

私は仕事でゴムのFEMを行う機会が多いため、超弾性材料はぜひおさえておきたいところです。

 

そこで、日本語例題で塑性材料の扱い方の演習を行ったついでに、超弾性材料(ゴムなど)の扱い方についても試行をしてみることにしました。
(基本的にはこちらと同じ手法です)。

 

はじめの検証は、単純な短冊状試料の、単軸引っ張り変形としました。

 

Hype011


試料の寸法を、長さ20mm × 幅5mm × 厚さ2mmとし、形状と荷重の対称性から、X,Y,Zそれぞれの方向に1/2にした1/8モデルとしました。各対称面には、fixX, fixY, fixZというグループ名を付けています。

 

また、荷重はX方向に与えるものとし、図のように荷重面にloadというグループ名を付けました。実際の荷重はloadPという名前を付けた1点のみに与え、load面はX方向の自由度を連結します。

 

メッシュは、六面体1次要素で、MAX_SIZE=0.5として作成しました。

 

Hype012

メッシュにもグループ名を付けました(Mesh_1を右クリックし、Create Groups from Geometryで、ElementsにGeometryの各グループを指定)。

 

このメッシュを、「hype01.mmed」というファイル名でエクスポートしました。

 

次にEficasによるcommファイルの編集ですが、塑性変形のcommファイルをコピーして、それを変えていきました。

 

今回のポイントとなる超弾性材料の物性ですが、Code_Aster(v10)のマニュアル「u4.43.01」の3.7項を参考にしました(下記URL)。

 

 

 

http://www.code-aster.org/V2/doc/v10/en/man_u/u4/u4.43.01.pdf

 

ひずみエネルギー関数としては、Neo-HookeやMooney-Rivlinが使えるようですが、今回はC10,C01のみを用いた2項のMooney-Rivlinとしました。その定数ですが、微小変形におけるヤング率E=1[MPa]相当として、C10=0.133333, C01=0.033333としました。また、Kとν(ポアソン比)はどちらか一方を定義すれば良いみたいなので、ν=0.499としました。

 

このあたりの理論の詳細は、マニュアル「R5.03.19」に書かれています。

 

http://www.code-aster.org/V2/doc/v10/en/man_r/r5/r5.03.19.pdf

 

また、荷重は2.0[N]で、loadP点に50ステップで与えています。本当は変位制御式にしたかったのですが、そうすると反力を集約しにくいので、荷重制御式にしています(このあたりのいきさつは、こちらです)。load面はX方向の自由度を「LIAISON_UNIF」で連結しています。

 

Hype013


STAT_NON_LINEの設定ですが、下図の通りです。

 

Hype014


COMP_INCRについては、COMP_ELASとどちらにするのか迷いましたが、COMP_INCRにしました。RELATIONはELAS_HYPER、DEFORMATIONはGROT_GDEPにしました。

 

このあたりの設定については、実際のところあまり理解していません。
「U4.51.03(STAT_NON_LINE)」や、「U4.51.11(Non linear constitutive laws)」あたりをよく読む必要がありそうです。

 

http://www.code-aster.org/V2/doc/v10/en/man_u/u4/u4.51.03.pdf

http://www.code-aster.org/V2/doc/v10/en/man_u/u4/u4.51.11.pdf

 

出力の設定については、こちらと同じです。

 

以上の設定で計算したところ、警告は出ましたが、完了しました。

 

変形の様子は下図の通りです。コンターは応力のX成分ですが、均一になっていることが分かります。

 

Hype015

 

アニメーションです。

 

下図は、loadP点のデータを出力し、X方向の変位(DEPL)、節点力(FORC)と節点反力(REAC)から、エクセルで「応力-工学ひずみ」を計算してプロットしたものです(データ出力の方法と、荷重値の出し方についてはこちらです)。

 

 

 

Hype016

荷重は、loadP点の節点力から節点反力を引き算することで得られます。
それを元の面積で割ると公称応力になります。また、

 

(真応力)=(公称応力)×(工学ひずみ + 1)

 

で変換できる真応力と、SIEF_NOEUのX成分を合わせてプロットしました。

 

これによると、「今回の設定で得られたSIEF_NOEU」は、真応力であることが分かります。

 

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次に、今回の物性値(C10=0.133333、C01=0.033333)とひずみエネルギー式

 

Hype017
から、理論で「公称応力-工学ひずみ」の関係を計算しました。ここで、Wはひずみエネルギー密度、I1,I2はひずみの不変量です。

 

これをCode_Asterの結果と重ね合わせると、ほぼ一致しました。

 

Hype018

 

これにより、今回のモデル化と解析の設定が正しいことが分かりました。

 

このエクセルファイルは下記のリンクに置いています。

 

hype01.xls

 

また、今回のcommファイルとmmedファイルは下記です。

 

hype01.zip

 

 

 

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なお、今回2項のMooney-Rivlin式から求めた計算値とCode_Astarの結果は良く一致しましたが、実際のゴムの挙動と合致するかどうかはまた別問題です。2項のMooney-Rivlin式では、特に数百%を超える大ひずみ領域で実際のゴムの挙動とかなりずれます。

 

大ひずみ領域ではOgdenモデルの方が良好にゴムの物性を表現できるようですが、今のところ、Code_Aster(V10)のマニュアルでOgdenモデルの説明を見つけることが出来ていません。

 

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FEM解析でのゴムの扱いについて、WEB上での資料としては、株式会社メカニカルデザイン殿が公開しているニュースレターが参考になります(下記URL)。

 

http://www.mech-da.co.jp/mechnews/toc.html

 

 

 

 

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