日本語例題 6.0 接触解析の基本(2)
今回もこちらの例題の「接触解析の基本(2)」、解説文書ファイル名は「06-01.pdf」です。
DEXCS2011-Salome-A3(64)(SALOME6.3 + Code_Aster STA10.5)の利用です。
前回、「06-00.pdf」を実施しましたが、EficasによるAster Codeの編集段階で、AFFE_CHAR_MECAの下に「CONTACT」が設定できず、中断していました。それはおそらく古い設定方法であり、すでに削除されている可能性があります。
それに対し、今回は新しい接触設定方法ということだそうです。
まず、メッシュ作成とAsterのWizardによる解析ケース作成(.commファイル作成)までは前回「06-00」と同じです。
ただし、解説文書においては「モデルがメートル単位で作成されるので、変位の境界条件をメートル単位で入力する」とあります。どうやら、「06-00.pdf」と「06-01.pdf」の間のSalomeのバージョンアップで、STEPファイルがmm単位で読み込まれなくなったようです。
そのため、この文書の以後の操作では、SI単位系での設定になっています(変位はm、圧力はPa、ヤング率もPa)。しかし私としては慣れない単位系を用いるのには抵抗があります。したがって、私の方は、これまでどおりモデルを1000倍してmm単位とし、力はN、長さはmm、圧力はMPa、ヤング率はMPaを用いることにしました。したがって、Wizardで設定する銅のヤング率は「130300(MPa)」となります。
次にEficasを立ち上げ、Aster Codeの編集をしていきました。
古い方法では、「AFFE_CHAR_MECA」の下で「CONTACT」の定義をしましたが、今回の新しい方法では、最上位の「DEFI_CONTACT」を用いて接触定義をするようです。
AFFE_CHAR_MECAは解説文書どおりですが、loadPにおけるZ方向の変位はmm単位で、「-0.2」としました。
接触の定義「DEFI_CONTACT」、変位を徐々に変化させるための設定である「DEFI_FONCTION」、「DEFI_LIST_REEL」も解説文書どおりですが、DEFI_FONCTIONの下の「VALE」の入力方法は少し戸惑いました。下図のように、「0,0」、「1,1」というように、XとYをカンマで区切り、座標点ごとのセットで入力していく必要があるようです。
非線形解析の設定は「STAT_NON_LINE」で設定し、線形解析の設定「MECA_STATIQUE」は削除しますが、この作業によって、その後のポスト出力設定部分などで何ヶ所か名前の付け直しが必要になります。これは結構煩雑なので、非線形解析についてもWizardが欲しいところです。
それから、Post処理設定のところですが、出力する応力やひずみなどの名称が、解説文書と異なっています。例えば解説文書では「相当歪」は「EQUI_NOEU_DEPL」となっていますが、そのようなパラメータは無く、文字列から推測も出来なかったので設定できませんでした。おそらく、またどこかの時点で変更があったのかもしれません。今回編集しているのはSTA10.5向けの書式ですが、例えば節点解は下図のようになっています。
「SIEQ_NOEU」(相当応力?)や「REAC_NODA」(節点反力?)のようになんとなく分かるものもありますが、分からないものもあります。自分が出力したいものがどの文字列になるのか分からないのは困ります。公式の英訳解説があるようですが、詳細過ぎて分かりにくいです。
要素解(CALC_ELEM):http://www.code-aster.org/V2/doc/default/en/man_u/u4/u4.81.01.pdf
節点解(CALC_NO):http://www.code-aster.org/V2/doc/default/en/man_u/u4/u4.81.02.pdf
最終的な編集内容は下図の通りです(DEFI_FONCTIONとDEFI_LIST_REELは展開していませんが、解説文書どおりです)。
この設定で、うまく計算できました。
結果については、線形解析時は「0,-」だけでしたが、今回は0から1まで0.2刻みで出力されています。
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続いて「荷重拘束したときの接触解析」です。
上の解析で作成した「06-01.comm」をOS上で複製し、名前を「06-01-F.comm」にしました。それからSALOMEのAsterモジュールで「linear-static」ケースを右クリックで「EDIT」として、解析コードを「06-01-F.comm」に変えました。
その後のEficasによる編集は解説文書どおりで、特に迷ったところはありませんでした。
ただし、圧力の値はMPa単位として「0.0001」にしました(解説では100Pa)。
これで計算を実行したのですが、下記のエラーが生じました。これは解析したディレクトリにある「linear-static.mess」を開くと確認できました。
JDC.py : ERREUR A L'EXECUTION - INTERRUPTION >> JDC.py : DEBUT RAPPORT CR d'execution de JDC en MIXTE !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ! Exception utilisateur levee mais pas interceptee. ! ! Les bases sont fermees. ! ! Type de l'exception : ArretCPUError ! ! ! ! Arret par manque de temps CPU au num駻o d'instant : 5 ! ! - Temps moyen par increment de charge : 21.030000 ! ! - Temps cpu restant : 20.760000 ! ! ! ! La base globale est sauvegard馥. Elle contient les pas archiv駸 avant ! ! l'arret. ! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! fin CR d'execution de JDC en MIXTE
これをGoggle翻訳で英訳してみました。
JDC.py: ERROR PERFORMANCE - INTERRUPTION JDC.py >>: START REPORT CR execution of JDC in MIXED !!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!! ! Exception User levee but not intercepted. ! ! The bases are closed. ! ! Exception type: ArretCPUError! ! ! ! Stop by lack of CPU time to time o 駻 num: 5! ! - Average time per load increment: 21.030000! ! - Cpu time left: 20.760000! ! ! ! The overall basis is sauvegard 馥. It contains the archived ? not before! ! the stop. ! !!!!!!!!!!!!!!!!! !!!!!!!!! CR end of execution of JDC in MIXED JDC.py >>: END REPORT
どうやら、設定していたCPU時間が短すぎるようです(デフォルトの120秒のままでした)。
linear-staticのEDITで、timeを300秒に設定して再計算すると、正常に終了できました。
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最後に、弱いバネを付加したモデルでの解析です。
ただし、4.1項のBarのみでのバネの挙動検証は省略しました。
これまでの例題を実施したディレクトリを丸ごと複製して、新たなディレクトリで元の06-01を修正して進めました。
まず解説文書通りに、Geometryにてバネを接続する点のグループ(addSP)を作成しました。それからMeshに移動しましたが、Meshの下にaddSPのグループは作成されませんでした(解説には作成されると書かれています)。しかし、そのまま進めました。
次にEficasによるコード編集ですが、これも基本的には解説文書どおりです。
ただし、バネ定数は N/mmの単位にして 1e2,1e2,1e2 としました。また圧力は0.1MPaです。
図では見えませんが、Meshの下にaddSPのグループも作成されていました。
なお、接触部の応力に偏りがあるのは、BaseとBarの接触部において、両ソリッドのメッシュの位置関係がずれているためです。
今回は以上です。
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